古文で読む『源氏物語』感想26. 賢木 Ⅰ 〜なれそめバッサリ、別れはじっくり

本日のあらすじ

六条御息所が娘斎宮に付き添って伊勢に移るのを前に、源氏は未練を断ち切れず面会を懇願。さんざん恥をかいてきた御息所はきっぱり関係を断ち切るつもりだったが、根負けして嵯峨野の野の宮で逢瀬。後日宮中での儀式の後、母娘は伊勢へ移った。

1.六条御息所、一旦退場

て言うかいつ登場したんでしたっけ?ってくらい、「六条わたり(辺り)」の呼び名でいつの間にか源氏との関係が始まっていた(確か「夕顔」から)御息所。

儀式のため久しぶりに宮中を訪れますが、その際「16歳で春宮と会い、20歳で死に別れ、今30歳で再び宮中を見る」と書かれています。

意外と若かった。注釈にも「以下の御息所の年齢は不審」とありますが、あれ、もっと歳が多かった気がするのはなぜだろう…

すぐ後に斎宮(娘)が14歳とあります。とても美しく、儀式で斎宮の髪に櫛をさす朱雀帝がションボリしてしまうという。…斎宮は帝位の代替わりと一緒に交代するので、自分が譲位するなり死ぬなりしなければ再び会うことはできないというわけで。

2.源氏も斎宮に関心

恋人の娘に「無関心」(当たり前だろ)だった源氏も、あるきっかけで斎宮に関心を持ち始めます。

嵯峨野での御息所との逢瀬の後、ますます未練が募って斎宮に「お母様と私の中を割かないでください!=お母様が京に残るようお口添えを」と哀訴の手紙を送っています。いいのかこれ?神事に従事すべく身辺清めまくってる娘に、母親の愛人がそんな手紙送っていいのか…?

それに対して斎宮は世話係の女官に代返を頼みます。関わりたくないというのが正直なところ?女官の返事は「神罰下るぞ」(大意)。

意外と大人びた返事をするんだな〜と、いやお前叱られてるっつうのに俄然斎宮に関心を持ち始めてしまった源氏。「まあ、いずれまた(帝が譲位するか崩御するかして)会えるでしょ!」とその時を楽しみにすることに(注釈「不謹慎な想像である」)。

3.不自然なポーズでさようなら

で、肝心の御息所との「逢瀬」とあらすじには書きましたが、実際どの程度の逢瀬なのかよくわからなかった…(どうでもいいっちゃいいが)。

当初「立ったままでもお話させて」との源氏に、御簾ごしに、女房を介して会話していた御息所でしたが、そのうち廂(外廊下?)にいた源氏が御簾の下から榊(さかき。これが巻名「賢木」の由来かな)の枝を差し入れてそれにかこつけて歌を詠み、いつの間にか上半身だけ御簾の内にいる体勢になり(え、ちょっとうまく想像つかない。笑うとこ?)、その後それといった描写もなく、ただ二人のこみ上げる想いはいかばかりとだけあって、で翌日には源氏から「後朝の文」とおぼしき手紙。

関係を持たなくても文は送るのかどうなのか…「空蝉」では軒端荻と関係持っておいて消息無しの源氏でしたけど。

そうして一旦お別れとなる二人でした。それにしても御息所と源氏にそんなに強い心の繋がりがあったとは。なれそめの描写がないだけにちょっとピンと来ませんが、別れの風情から察することにいたしましょう。

次回も「賢木」、桐壺帝崩御です(ネタバレ)。