古文で読む『源氏物語』感想13.若紫 Ⅴ 〜「人形扱い」に先が思いやられる

本日のあらすじ

翌日紫上の父が娘を引き取りに来ると聞いた源氏、左大臣邸で葵の上と相変わらず打ち解けずにいたところを、急用ができましたと夜中に退出、紫の上を迎えに行く。乳母の少納言を共に寝ていた紫の上を連れ出し、二条院へ。恐ろしくて泣いていた紫の上だったが、翌朝になると見事な屋敷と庭に遊び相手の子どもたちや美しい絵などに囲まれ遊びに集中。源氏にもすぐに懐いて、時々亡き祖母の尼君を恋しがって泣くことはあっても、父のことは忘れてしまう。一方の父・兵部卿の宮には紫の上の行方が分からず、泣く泣く諦める。

1.やはり継子を虐める気満々だったっぽい北の方

紫の上がいた故尼君の屋敷では、乳母の少納言が勝手に紫の上を連れてどこかに行方をくらましたことにしたようです。兵部卿の宮を信頼できず紫の上がそちらに引き取られることに反対していた故尼君の意思を汲んで、と。

兵部卿の宮は尼君の兄の僧都にまで手がかりを求めますが娘の行方は分からず、泣く泣く諦めます。

その北の方が初登場、やはり紫の上の母を憎んでいたけれど、紫の上を引き取って意のままに遇することを楽しみにしていたらしく、行方不明を悔しがっています。…って、やっぱり虐める気だったんだ…

2.紫の上がチョロすぎる?

変な子…というのは作者からの評価ですが。雨夜の品定め以降「女は素直が一番」が持論になってる源氏(紫の上にも早速そのように教え出す)ですが、紫の上はその通り素直…っていうか素直以上の何か?さらわれて泣いていたのに翌朝楽しく遊んでるのはちょっとチョロすぎると書かれてますが、それもご都合主義じゃないかしら…しかも誘拐された子どもを責めるような二次加害を思わせてイヤなところです。

ただそんな紫の上も源氏を不審に思っている点があって(不審だらけですが)、それは「自分は誰の代わりなのか?」

源氏は無神経に「ゆかり」という言葉を使って、あなたは手の届かない憧れの方にゆかりのある人だから、ということを隠しません。そんな源氏の和歌に、紫の上が初の返歌。

かこつべき ゆへを知らねば おぼつかな いかなる草の ゆかりなるらん

「私が誰のゆかりの人だっていうんだろう、気がかりだ」と。

どれだけ大切に世話して見せようと、源氏からの「人形扱い」には先が思いやられます…

といったところでようやく「若紫」終わり。次回は「末摘花」です。

コメントを残す