古文で読む『源氏物語』感想 2. 桐壺 Ⅱ 〜光ってる光ってる!!

本日のあらすじ

桐壺更衣の実家で育てられていた若宮が宮中の父帝のもとに。高麗人(こまびと)の相人(観相師)に見せると「臣下に終わる相ではない」とベタ褒め。帝は下手に皇子扱いして後継争いに巻き込ませるよりは勝手に出世させればいいかと、臣下として源氏を名乗らせることに。

亡き桐壺更衣に瓜二つと言われる先帝の娘が入内し、藤壺に。若宮は藤壺に恋心を抱くも、元服のさい左大臣の娘(葵の上)とめあわせられる。

1.「都合の悪い人をすぐに殺してしまうのです。 」

 桐壺の巻はここまで。藤壺(語呂が磯臭い)登場です。前回、桐壺更衣の母君の親心に触れましたが、この藤壺も母君(先帝の后)が大事に大事に“かしづいている”(この表現よく出てきますね)娘で、入内を勧められた時の反応がず

「あなおそろしや」

桐壺更衣のようにストレス死するんじゃないかと心配したと。特に春宮の母である弘徽殿女御(こきでんのにょうご)が意地悪でヤバいんじゃないかと…無理もないご心配の次の行(岩波版)で「うせ給ひぬ」。お亡くなり。

高校の古文の授業で先生が、「紫式部は(ストーリー展開上)都合の悪い人をすぐに殺してしまうのです」と淡々とおっしゃってましたけど、このパターンは今後も繰り返されるのか…?

2. 名付け親は高麗の観相師

我々が光源氏と呼ぶように、若宮の呼び方が「源氏の君」、「光君」となっていくのですが、桐壺の巻の最後に、「光君」は高麗人が絶賛してつけた名前とあります。

観相師には皇子とは言わず右大弁の子として宮中の外で見てもらいますが、「帝王になる相」と言い当てられる。

ちなみに、宇多天皇の誡めによりあたかも帝が外国人を宮中に呼んではいけないかのように書かれているのですが、その点は注釈によると間違いだそう。実際は、帝が外国のお客さんと会う時は御簾ごしにね、ということだそうです。

ミスです、御簾です。

3.(ちょっと脱線)韓国映画『観相師』を思い出す

時代が450年ばかりズレますがこの高麗の観相師が、韓国映画『観相師』(ハン・ジェリム監督、2013年)のソン・ガンホだったら面白いなあ。

映画の中で左議政の立派な「虎の相」を見たソン・ガンホ(役名ネギョン、天才観相師)がうおおおおおおおおおとおののく場面がありますが、桐壺帝の若宮を見た高麗の観相師のリアクションもそんなだったんでしょう。

「ちょ、ちょ、光ってる光ってる光ってる!!」的な。

そして命名、「光君」。

ところで外国語を学ぶのが好きな私には気になるんですが、高麗人とは何語で話していたのだろう…ヨーロッパにラテン語という知識人の共通言語があったように、アジアには漢文がありますから、筆談かしら。

しかし、いくら多少韓国語ができる私でも当時の高麗人と意思疎通は無理だろうなあ…っていうか、こうして原文の源氏物語を読んでいると、当時の日本人との意思疎通も自信ありません。

高校の古文・漢文の先生が、「はるわあけぼの」も当時の人は「ぱるふぁあけぽの」と発音していたと言ってましたし(どうやって分かったんだろう…)。

あと「へび」を「ぺみ」と言っていたとか。これ面白いですね、韓国語で「蛇」を意味する뱀(ペム)、さらに「蛇が」を意味する뱀이(ペミ)と通じる。

さて今日はここまで。

次回は「帚木(ははきぎ)」の巻に入ります。

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